暗号資産のAPRとAPYの違いとは?換算方法も解説
APRは単利の年率、APYは複利を含む年率です。計算式、暗号資産の利回りが複利になる頻度、資金調達率を公平に比較する方法を解説します。
更新
APR(年率)は複利を考慮しない単純な年間の利率で、APY(年間利回り)は利息を再投資して得られる追加のリターンを含みます。 同じプラスの利率なら、APYは常にAPRと同じかそれより高くなります。利率が高くなるほど、また複利の頻度が高くなるほど、その差は大きくなります。
要点
- APR = 再投資なしの単純な年率。
- APY = 複利を含む年間リターン。
- APY = (1 + APR ÷ n)^n − 1。nは1年あたりの複利の回数です。
- 利率が低いときは差が小さく、利率が高いときは差が大きくなります。
- 資金調達率は自動的に複利にならないため、APRで比較するのが最適です。
計算式
| 換算 | 計算式 |
|---|---|
| 期間あたりの率からAPRへ | 率 × 1年あたりの期間数 |
| APRからAPYへ | (1 + APR ÷ n)^n − 1 |
| APYからAPRへ | n × ((1 + APY)^(1/n) − 1) |
| 連続複利 | e^APR − 1 |
ここでnは1年あたりの複利の回数で、月次なら12、日次なら365、1時間ごとなら8,760です。
計算例:10% APR
10% APRに複利を加えると、どれだけ増えるでしょうか。
| 複利の頻度 | n | APY |
|---|---|---|
| なし(年1回) | 1 | 10.00% |
| 月次 | 12 | 10.47% |
| 日次 | 365 | 10.52% |
| 8時間ごと | 1,095 | 10.52% |
| 1時間ごと | 8,760 | 10.52% |
| 連続 | ∞ | 10.52% |
月次から日次の複利にすると少し増えますが、日次より頻度を上げても上乗せ分はごくわずかです。$10,000 の元本なら、10% APRで複利なしなら1年で $1,000、日次複利なら約 $1,052 を得られます。
利率が高くなると差は広がります。50% APRを日次複利にすると約64.8% APY、月次複利では約63.2% APYです。
資金調達率をAPRに換算する
資金調達率は間隔ごとに示されます。年率換算するには次の式を使います。
APR = (資金調達率 ÷ 間隔の時間数) × 8,760
| 資金調達率 | 間隔 | APR |
|---|---|---|
| 0.01% | 8h | 10.95% |
| 0.01% | 4h | 21.90% |
| 0.01% | 1h | 87.60% |
8時間ごとの0.01%の支払いをすべて再投資できるとすると、APYは(1.0001)^1,095 − 1 ≈ 11.57% になります。実際には、資金調達手数料は証拠金残高に入るだけで、ポジションサイズを調整しない限りポジションは大きくならず、調整には手数料がかかります。そのため、ArbTideは資金調達率を複利で計算しません。リアルタイム資金調達率ページでは各資金調達率を8時間あたりで表示し、そのAPRは複利を含まない単純な年率です。計算方法は算出方法のページで説明しています。
APRとAPYが混同される理由
- マーケティング:APYのほうが大きい数字なので、APYを表示したがるプラットフォームもあります。
- 変動金利:変動する利回りで示されるAPYは、現在の利率が丸1年続くことを前提にしていますが、そうなることはめったにありません。
- 短い期間:1回の高い資金調達手数料の支払いを年率換算すると、数時間しか続かない巨大なAPRになることがあります。BTCの資金調達率の履歴を確認すると、資金調達率が時間とともにどれだけ変動するかがわかります。
実際の戦略でAPRを使う
キャッシュアンドキャリー取引や先物のベーシスのポジションでは、年率換算した数字を使うと、期間の異なる機会を比較しやすくなります。次の3点を覚えておいてください。
- 手数料は1回限りのコストですが、APRは率です。短期の保有では、APRが高くても手数料控除後の純利益が小さいことがあります。
- 証拠金も差し入れる場合、資金に対するリターンは想定元本に対するAPRより低くなります。
- 同じもの同士を比較してください。 選ぶ前に、すべての提案をAPRに、またはすべてをAPYに換算しましょう。
試してみる
APR/APY計算ツールで任意の利率を換算するか、資金調達率計算ツールで選んだ期間の資金調達手数料の収入を見積もってください。
よくある質問
- APRとAPYの違いは何ですか?
- APR(年率)は、複利を考慮しない単純な年間の利率です。APY(年間利回り)は収益を再投資する効果を含むため、同じプラスの利率なら、常にAPRと同じかそれより高くなります。
- APRをAPYに換算するにはどうすればよいですか?
- APY = (1 + APR ÷ n)^n − 1 を使います。nは1年あたりの複利の回数です。たとえば、10% APRを日次複利で運用すると約10.52% APYになります。
- 資金調達率はAPRとAPYのどちらで表示されますか?
- 資金調達率は通常、間隔あたりの率に1年間の間隔の回数を掛けて、APRで年率換算されます。資金調達手数料は自動的に再投資されないため、積極的にポジションサイズを調整しない限り、APRのほうが正確な比較になります。
- なぜ暗号資産のプラットフォームはAPRではなくAPYを表示するのですか?
- 利率がプラスのとき、APYは常に大きい数字になるため、利回りをより魅力的に見せられるからです。2つの提案を公平に比較するには、両方を同じ指標に換算する必要があります。